<とりのさと農園訪問記>

last update 8.June.2002


 (とりのさとさんとの会話形式になっています)
> (とりのさとさんが書いた部分)

  8/21(月)、8/22(火)の二日間、とりのさと農園を訪問しまし
た。

  16:00頃、内海駅に着くと、まず日差しが強いのに驚きます。改札を
出て、五分程、待っていたら、奥様が軽の1BOXで迎えに来てくれました。
あれこれ話しながら、とりのさと農園に着くと、なんと、とりのさとさんが
地面に座って、こちらを見ていました。一目でわかりました。独特の深みと
いうか、百姓そのもののたたずまいがそこにありました。「こんにちは。ふ
じかわです」「やぁ、よくきたねぇ」と、そんな感じだったと思います。

  着くなり、鶏舎を案内してくれました。にわとり600羽。そして陶器小
屋に行ったら、可愛い陶器を二つ、いきなりくださいました。なんだかわけ
も分からず、お礼だけ言いました。

  今度は軽トラに乗って畑を案内してくれました。公道を一分弱走って、細
い道に入ります。軽トラが一台、やっと通れる程の道をクネクネ登っていく
と、ここそこに畑が見えます。さらに登って、ナス畑で降り、ブルンブルン、
ウィーン、ザザザザザザザ、とけたたましく草払い機(ガソリンエンジン)
で草を刈っていきます。いやぁ、農業するにはやっぱ機械を使うわけです。
で、雑草をかき集め、コンテナに詰めます。これは翌朝のにわとりの餌。こ
れに水をかけておきます。翌朝まで水気がなければ、にわとりが食べられま
せんので。

> その日は早めに仕事を切り上げて、お酒を飲みながらいろいろお話をした
> のですが、まぁ、これまで、通信上でほとんどの事は話してきましたので、
> 特にどおってことはなかったんですけど。私はお酒が回りすぎて、ほとん
> ど忘れてしまいましたけれど。

  そうなんです。  いったい、いまさら、なにをしゃべればいいのか。
  でも、かみさん(なおこ)は、割と最近、[hito-sizen] を読み始めている
ので、いままでのとりのさとさんとボクを含めた他のみなさんとのやりとり
をそんなには網羅していない。だもんだから、「とりのさとさんは、いつ農
業を始めたんですか。その前はなにをしていたんですか。どうして農業をや
ろうと思ったんですか。奥様の反対はなかったんですか」などなど、基礎的
質問が飛び出し、いや、わたくしにとって復習にもなったわけです。

  とりのさとさんがおっしゃるには、有機農業はたいへんだ。まともな野菜
がつくれるようになるまで、十年はかかる。それまで、経済的にも、肉体的
にも精神的にも半端ではない。それでも、あなた、農業をやるの?とのこと。

  いやぁ、わたくし、まだ、決心はついてないんですよ。まぁ、38才前に
は、どうにか考えたい、と申し上げておきました。けど、それまでに種の撒
き時とか、様々な農知識が必要なわけ。だから、かみさんをどこかの農場に
送り込んで、先に勉強を始めてもらうというのは、いい方法だと思いました。

>  翌日も午前中はしっかり仕事を手伝っていただいて、というか、集中的
> な体験ということで、大変だったですよね。暑かったし。短い時間でもい
> ろいろやっていただいて、慣れないのに、きつかったでしょう。

  まぁ、正直たいへんでしたが、半日ですし、たいしたことなかったです。
  朝、起きて、朝食。鶏舎へ入り、飲み水の補給、雑草(青草)と配合資料
(餌)をにわとりにあげる。軽トラにのって、収穫がおわった雑草の山の畑
へ。ガスバーナーの登場です。草払い機よりもびっくりしました。これでも
って邪魔な草を焼きはらう。30分はやりました。気温がただでさえ暑いの
に、火と煙の攻撃にあい、もうたじたじでした。

  そして、ブロッコリとカリフラワーの苗の定植。これはようやく農業らし
い作業でひと安心。おわったら、水を撒きます。愛知用水(農業用水)がき
ていて、ホースに無数の穴が開いているので、まるで噴水のようになります。
美しい虹も出て、一休み。(用水に圧力がかかっているので、噴水になりま
す)

  軽トラで、自宅へ戻ります。さらに休憩。歓談。ジャガイモ(種イモ)か
ら芽と根が出ている。が、ここのところ雨が降らないので、植える気になら
ない。けど、植えるしかない、というようなお話。

  再び鶏舎に行き、卵をとってきます。ほんのり暖かい。放し飼いの鶏が、
なぜきちんと薄暗い狭い箱の中で卵を産むんですか、と素朴な質問をしたと
ころ、「ここで産め、と命令したんだよ」との答。これは冗談で、薄暗い狭
い箱の中で卵を産むのは、鶏の本能なんですね。人間だって用を足すとき、
畑の真ん中ではしません。端の方に行きますね。

  苗床の準備。野菜の苗を育てる入れ物に市販の土を詰めていく。その間、
とりのさとさんは、卵の選別と、卵についた鶏糞落とし。そして、午前中最
後の仕事が今度はサラサラの鶏糞の袋詰め。シャベルででかい袋に鶏舎の中
の鶏糞を詰めていきます。これは重労働でした。もうサラサラに乾燥してい
るので、容赦なく鼻、口、肺に入ってくる。でも、まぁ、毒でもないかな、
と思い汗をかきました。

>  それでも、取れたての野菜とか、果物なんかを食べていただいて、ちょ
> っとした贅沢をしていただきました。いえ、こちらでは、普通の食べ物な
> んですが。トマトもおいしかったと。カボチャを重いのに、おみやげに押
> しつけられて、迷惑でしたねぇ。

  大粒のぶどうや桃、瓜。オクラ入り厚焼き卵、これが絶品。それからお寿
司。これはスーパーで買ってきて頂いたようです。魚の種類も分からず、食
べてしまいました。とりのさとさんは、徳島の漁師の生まれだそうで、寿司
は食べれば、魚の名前は分かるそうです。おみやげに真っ白なカボチャを頂
きました。(渡辺採種場の伯爵。自家種)これも本日煮て食べましたが、ホ
クホクしてとてもおいしい。希少種で市場には出回っていない、とのこと。
(こういうのが、なぜかうれしい)

>  二日目の南知多の海岸、魚料理、楽しめたでしょうか。
>  奥様にもよろしくお伝えください。

  民宿しぼりやの夕食も魚づくし。久々にたくさん食べました。
  おさしみがおいしいのは、なによりです。
  一人、7000円ですから、安いですよね。(一泊2食)
  砂浜まで、歩いてわずか三分の近さも魅力です。

>  ご印象は、思いのまま、書き込んでください。人間はどうでもいい、猫
> が一番可愛かったとか、こき使われたとか・・・。

  奥様も多趣味で快活、前向き。お話できて、なおこが喜んでいました。そ
れから、猫ちゃん(小池さんという名前)と三匹の子猫ちゃん。ほんと、田
舎の猫は警戒心はないし、おおらかですね。ゆったりしている。

  空気がいい。これだけでも、田舎暮らしにふみきる価値はありますね。け
ど、あと数年、都会で考えてみます。都会にいてもできることは、少しあり
そうですので。

  とりのさとさん、奥様、お世話になり、ありがとうございました。
  今度は、和歌山でお会いしましょうか。

                           2000. 8. 24  ふじかわ  おさむ

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