<関西旅行(一週間)>

last update 6.July.2003


6/23(月) 愛知 名古屋 Cafe Shindo(シンド)

 午後三時、西荻窪を出発。クルマで名古屋を目指す。出発前に東名で大事故があ
ったことを知ったので、中央高速(諏訪経由)で行く。午後八時、ようやくホテル
に到着。フロントで Cafe Shindo の場所を聞き、急ぐ。ようやく、きりはらさん
にお会いすることができた。二年前、とりのさとMLで知り会って以来の初対面。
しかし、とても初対面とは思えない。お互いがお互いのことをよく知っているので、
自分が話したいことをなんの前置きもなく話せる。予想通り、きりはらさんは優
しい人柄、本当に温和。ヒトを傷つけることのない、そういう気配りが自然にでき
る人なのだろう。過酷な農業を実践できるであろう強靭な肉体を持ち、心は優しい
なんて、絵に描いたようないい男だけど、なかなか身の周りにいない、ですね。男
の子三人もきっと元氣に育つことでしょう。

6/24(火) 三重 関宿 而今来(ジコンカ)
      三重 関宿 いもぐり
      三重 亀山 月の庭

  朝食に東京から持参したお弁当を食べ、三重県の関へ向かう。関宿に住んでいる
友人と道の駅で待ち合わせ、而今来(ジコンカ)におじゃまする。organic cotton
 Afa の自然な風合いを大切に残した衣服の展示・販売と、その奥に通りからは見
えない natural restaurant がある。五穀カレーピラフ(スパイスが効いている)
とカボチャのニョッキを焼いて生地にしたピッツァを頂く。おいしい。その後、
片山真理さんがきりもりする「いもぐり」へ行き、料理の話題に花が咲く。しまい
には、ウチで販売している essential oil Tea tree や浄水器(One water)まで
購入して頂いた。まいど!


而今来(ジコンカ)の五穀カレーピラフ




  夕食に亀山にある「月の庭」へ出かけた。ここはもともと酒屋だったが、長男の
マサさんが八年前にその酒屋で自然食品を扱い始め、ついでその食材を活かした料
理を楽しんでもらおうと「月の庭」を始めた。ベジタブル・ピッツァ(とうふ)、
もちあわとひよこ豆のカレーなど、おいしい。庭が広いのでライブやイベントも行
われている。うす暗い照明がきれいなので夜がおすすめ。マサさんはこの月の庭を
始める前、反原発運動を行っていたそう。広瀬隆の講演会のサポートもしていた。
おもしろいのが月の庭を始める前にどこの organic restaurant も見ず、参考にし
ていないこと。それで常識にとらわれないいい雰囲気づくりができたのかもしれな
い。 今晩はあらかじめ予約しておいた国民宿舎関ロッジに素泊まり。温泉は、翌
朝に入ろう。

月の庭




6/25(水) 奈良 明日香村一周
      奈良 明日香村 ひょうひょう

  翌朝、いもぐりで国産小麦、自家製酵母のパンを5種類も頂く。どれも素朴な味
でおいしい。友人であるパン屋のパンで、これが木金土、この店で食べられる。お
礼を言って、昼前に奈良県明日香村へ向けて出発。午後二時に議員さんと飛鳥駅で
待ち合せ。まずは農民連の事務所で話し合う。田舎で暮らしたいこと。民宿や自然
食の店をしたいこと、などを伝える。それに対して議員さんは言う。明日香村を活
性化させるために、そういうヒトに入村してほしいとは思う。  しかし、現状、空
き家はないとのこと。正確には空き家はたくさんあるのだが、とにかくよそ者には
貸したがらないとのこと。(世の中、冷たいものですね)

  農民連を出て、クルマで明日香村を案内して頂いた。(とてもぜいたく)明日香
村の代表的な棚田を見る。写真のように美しい。しかし、そこから奥地へ進むと放
置された棚田が目立つ。若手不足。採算がとれない、など、棚田の危機的な現状を
垣間見る思いだ。さらに急坂を登っていくとまるで桃源郷のような場所に着いた。
入谷というわずか12軒の集落。朽ち果てた古民家を修復して住んでいる夫婦の奥
様にお話をうかがう。子供二人を育てている。入谷で赤ん坊が生まれたのは37年
ぶりというから、過疎がいかに深刻かがわかる。

  議員さんにお礼を言って別れ、ひょうひょうへ向かう。 ここも古民家を修繕し
た店。ここで菊農家の杉岡さんに会う。小さな店だが、真面目な石鹸、ごま油など
調味料、平和な本、アクセサリーなど、ところ狭しとこだわりのモノが並ぶ。サン
ドウィッチもおいしい。しかし、7月に一度休業するとのこと。こんなに良い店が
休業してしまうのはとても残念だ。ぜひ、復活してほしい。杉岡さんからとれたて
の野菜をたっぷりもらった。お礼を言って別れ、和歌山へ向かう。午後十時、家内
の実家に到着。近況を義理の父に話し、就寝。

ひょうひょうのピッツァ




6/26(木) 和歌山 清水温泉 愚庵(そば)

  翌日は、午前中に家を出て、清水温泉の先にある愚庵へ向かう。
道路沿いに絵に描いたような茅ぶき屋根が見える。北海道産そば粉をその日の分だ
け挽いて茹でる。実際、期待を上回るおいしさ。しらすのサラダも鴨ロースもおい
しい。清流に沿って建物があるので、大きな窓に六月の木々の緑と速い河の流れを
見ながら食事をすることができる。店内は新しくきれいなので、VIP にでもなった
氣分だ。ぜいたくな店。コース料理は3000円だが、そば切りであれば800円で食べ
られる。ごま豆腐もおいしい。

愚庵(ぐあん) おいしいそばが食べられる。




6/27(金) 和歌山 那賀郡 枡田秀峰さんに会う

  翌日は90歳になる家内のおじいさんのお見舞いに行く。この日は体調がよかっ
たようで、いろいろ話してくれる。最近まで、ほとんど誰の助けも借りずに生活の
すべてを自分でしていたおじいさん。人間は誰しも必ず歳をとるものなのですね。
私も元氣なうちにがんばろう。いや、がんばり過ぎないことが大事なのかな。

  午前11時頃、桝田秀峰さんが約束通り尋ねてこられた。今日は、春巻きとぎょ
うざと豆腐料理の先生として。ぎょうざは皮からつくった。私にとっては初体験だ
ったので、楽しく、おいしくできた。食後、なぜかピアノを弾くことになり、三曲
ほど上手くないピアノを聴いてもらい、その後、桝田さんが整体師であることが判
明。義理の父、義理の姉、家内、そして私と四人連続で診て頂いた。歯の噛み合せ、
腰、足、首。荒治療にも見えるが、からだを預けて整体してもらうとあら不思議。
ここ五年ほど悩んでいた腰、首の痛みが消えてしまい、ひどい猫背すらわずかな
がら改善したよう。桝田さん、ありがとうございます。しかも、びわをおみやげに
たくさん頂いた。びわの葉の効用。びわの種の効用、すばらしいです。びわの種に
含まれるビタミンB12 がガンに効くんだそうです。種の皮は簡単に剥けるし、もし
くは種に傷をつけて焼酎につけておいても(半年ほど)からだにいいそうです。現
在、桝田さんは主に現代医学に見捨てられた末期ガン患者を救うために全国を周っ
ているそう。現在までに数十人の患者を救ってきた実績があります。




6/28(土) 京都 上賀茂  サニープレイス
      滋賀 朽木の手前 はるや

 翌朝、家内の両親と姉に別れを言って、京都へ向かう。京都南I.C.で降りて、ま
こみさんとゆみえさんがお薦めの「サニープレイス」というレストランを地図を見
ながら探す。ようやく見つけ、クルマを裏通りに駐め、店に入る。狭いが、とても
いい雰囲気。さり氣なく置いてある本にもひかれる。ランチは good! 穀物菜食に
しては、割と濃いめの味付けだし、品数も多いのでどんな人でも満足できるだろう。
食後は近所にある guava jelly(おしゃれな雑貨)を見てから、有名な「パンド
ラデイ」へ行って、パンを二種類買った。(翌日食べたら、とてもおいしかった)
そして、いよいよ「はるや」へ向かった。

  はるふみさんからもらった fax.によれば、はるやまで、京都の花園橋からクル
マで40分あるという。とは言うものの367号、一本だから迷いようもない。最
後に橋を渡って着いた「はるや」は、事前に聞いていた通りの古民家だった。「は
じめまして」「こんにちは」のあいさつが済むと、長男風歌(ふうた)くんとはる
ふみさんの歌とギターが始まった。一曲目は素朴な「ハレルヤ」だった。心にしみ
いる歌と演奏だった。ゆみえさん、はるふみさん、なおこ、おさむ、4人の話は盛
り上がった。彼らはいかにしてこの古民家を探し、田舎暮らしを決意したのか。収
入はあるのか・・・など、途中、子供たちを連れて散歩に出たが、とにかくえんえ
んと話をした。持参した赤ワインはあき、うまい鹿児島の焼酎を頂きながら、後半
ははるふみさんと私で音楽の話をした。世の中のあらゆるものの中で一番好きなの
は「音楽」と、二人とも言いきった。久しぶりに音楽の話ができてよかった。

  わずか一年前、「はるや」は京都市内のカフェだった。ふつうのカフェではない。
うまい、という一言ではすまない。素材厳選のはるふみさんが学んだインドカレー
が好評だった。一階が店で二階が住まいという設計を夫婦で行い、5年間経営した。
そこで風歌くんは生まれ育った。いまはもうすぐ一歳になる太郎くんもいる。

  行政とは勝手なもので、そのこだわりの建物を壊して広い道路をつくることにな
った・・・  さぞかし、無念だっただろう。夫婦二人で設計し、京都でも名が通る
ようになっていたその店は解体され材木となった。いまは、薪として使われている
・・・

  しかし、神様はこの行いの良い家族を見捨てなかった。なぜなら、山のふもとに
こんなに住みやすい古民家を与えてくれたのだから。

  出発の朝、ダル・スープとチャパティをご馳走になった。なんという・・・  心
がこもっていて本当においしい。

  スローフードということばがあるが、まさに藤村家の暮らしはスローライフ。お
カネというものは、そんなに多くはいらない。もし、スローに生きられたら、それ
が一番幸せへの近道なのかもしれない。そんなメッセージをくれたみなさんに感謝
します。ありがとう。

 ふじかわ おさむ  at 南荻窪  2003. 6. 30

はるや(山のふもとのカレー屋さん)




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