last update 23.September.1998
みなさん、こんにちは。 しばらく顔を出しませんでしたのは、2ヶ月ばかりオーストラリアへ一人旅に 出ていたからなんです。以下が滞在、訪問したところです。 7/9 - 8/6 Stephen and Susanの家。 有機農業を営んでいる家庭で、子供が二人います。 8/6 - 8/9 Melbourneの安宿。 8/10 - 8/15 Don and Annの家。 Organic foodsの会社を経営していて子供が7人もいます。 8/15 - 8/18 Canberraの安宿。 8/18 - 8/31 Pam and Dugaldの家。SydneyのKings Crossの近くです。 9/1 - 9/2 Sueの家。 9/2 - 9/3 Don and Annの家。 Stephenからいくつか質問されたので、もし何かコメントがあればお願い致 します。 ゴボウを掘るのはたいへんです。ゴボウは下へ下へ伸びているので。しかも道 路工事のようにひたすら掘っていけばいいのではなく、ゴボウを傷つけずに気を 使いながら掘っていくわけですから神経も使います。ここの畑では固い土なので、 なおさらたいへんなのだと思います。でもその代わり、直径5センチくらいの太 くて曲がったやや甘みのあるおいしいゴボウがとれます。 <質問1> 日本のゴボウは安く売られていますが、その理由は砂地のような柔らかい土で 育てているから収穫がしやすいということなのでしょうか。それとも中国など、 人件費の安い国から輸入しているのでしょうか。 * ゴボウは軽く洗って箱詰めする際、味をみます。かなり土がついているものも ありますが気にしません。人間はかなり土を食べても大丈夫なようです。それで たまにコンニャクを食べて腸をそうじするのでしょう。 <質問2> Open pollinated seed = not hybrid つまりハイブリッドではない種というの は貴重なものなのでしょうか。彼は Blue krui, Kurimaru, Kurikko, Kuritomo のいずれかの種をたいへん欲しがっていました。日本の種子会社で手に入るので しょうか。 * 彼はくりかぼちゃを育てていますが、どうしてもハイブリッドでないものを手 に入れたがっていました。もし手に入れば送ってあげようかと思っています。オ ーストラリアのスーパーや市場で売られているかぼちゃははっきりいっておいし くありませんでした。彼のくりかぼちゃは抜群にうまかったんですけども。 <質問3> 天皇家は今でも玄米を食べているのでしょうか。またもし食べていないとすれ ばいつから食べなくなってしまったのでしょうか。 <質問4> 白砂糖というのは精製されているわけで、あまりよろしくないものなんですが、 また日本での白砂糖の歴史もそれほど長くはないはずなんですが、いったいいつ 頃から日本では白砂糖を使い始めたのでしょうか。 * ところで、彼らには子供が二人いて、8才と2才の男の子です。お父さんはレ バノン出身で、お母さんはこの国で生まれたんですがドイツ人なんです。お父さ んは子供たちにアルメニアン語で、お母さんはドイツ語で話しかけ、みなボクに は英語です。8才の子はほぼ完璧に3ヶ国語を話していました。なかなか国際感 覚豊かな家庭でした。お父さんは五行、指圧などにも詳しく、日本文化にもたい へん興味をもっています。まあ、それで上のような質問をボクにしたのでしょう。 8才の男の子はシュタイナーの学校へ通っていて、なかなか創造力と想像力が 豊かです。いつも新しい遊びを考え、ボクを巻き添えにして遊びたがります。で もかなりやんちゃなので、こっちが疲れてしまうこともありました。 ここの家庭では毎日ではありませんでしたが畑仕事を手伝っていました。ちん げん菜に似た野菜をナイフで収穫し、洗い、箱詰め。ゴボウやカボチャを洗い箱 詰めなど、やりました。ゴボウを作っているのは多分、オーストラリアではここ 一ヶ所だと思います。今、こちらは冬で、寒いときもありましたが、なんとかの りきりました。それから料理を何回かしたところ好評だったので、それはボクも うれしかったものです。 今後何回か、旅の話をしてみたいと思っています。 QYQ01076 藤川 修 03254 PXK10711 とりのさと RE:in a suburb of Melbourne in Australia 98/09/07 19:36 03246へのコメント 藤川 修 さん、 おひさしぶりですね。新しい方が大勢入られましたので、自己紹介もしてく ださいね。 |日本のゴボウは安く売られていますが、その理由は砂地のような柔らかい |土で育てているから収穫がしやすいということなのでしょうか。それとも中 |国など、人件費の安い国から輸入しているのでしょうか。 農産物の価格は、生産に要したコストに利益を上乗せする、というもので なくて、「市場のせり」で需要と供給の関係で生産者でなく、市場の「競り 人」が決めるのです。価格が低ければ作業を合理化するか、生産者が減少し ます。 ゴボウの生産者については知らないのですが、おそらく機械で掘っている でしょう。 | Open pollinated seed = not hybrid つまりハイブリッドではない種とい |うのは貴重なものなのでしょうか。彼は Blue krui, Kurimaru, Kurikko, |Kuritomo のいずれかの種をたいへん欲しがっていました。日本の種子会社 |で手に入るのでしょうか。 これは、現在では逆になっております。つまり、固定種の野菜の種は安価 なのですよ。 一代交配種すなわちF1での野菜(おいしい)に消費者が慣れてしまって いて 昔からの固定種は消費者にも人気が低いのです。(根強い人気はあり ます) | 彼はくりかぼちゃを育てていますが、どうしてもハイブリッドでないも |を手に入れたがっていました。もし手に入れば送ってあげようかと思ってい |ます。 栗カボチャでは、ほとんどがF1ですので、私は固定種の栗カボチャを知 りませんが、ホクホク度がややよわいけれども、東京カボチャが固定種だと 思います。これは種苗会社でも手にはいりますし、安いのです。(まぁ、ホ クホク度が強いのが好まれるようになったので、価格もさがってしまったこ と) |天皇家は今でも玄米を食べているのでしょうか。またもし食べていないとす れ |ばいつから食べなくなってしまったのでしょうか。 平成の天皇裕仁は玄米を食べてはいないでしょう(推定)。美智子妃はイ ンスタントラーメンなども食べておられると思います。日清食品ですね。 |白砂糖というのは精製されているわけで、あまりよろしくないものなんです |が、また日本での白砂糖の歴史もそれほど長くはないはずなんですが、いっ |たいいつ頃から日本では白砂糖を使い始めたのでしょうか。 戦後(1945)になって普及しました。それまでは黄ザラという砂糖が主流で アンコなどはこれで作っていましたので、味に深みがありましたね。進駐軍 の角砂糖が貴重品でもありました。コーヒー紅茶ケーキなどの普及と時期が 重なっていると思います。 |8才の男の子はシュタイナーの学校へ通っていて、なかなか創造力と想像力が |豊かです。いつも新しい遊びを考え、ボクを巻き添えにして遊びたがります。 オーストラリアにもシュタイナー学校があるのですか。初耳です。 | 今後何回か、旅の話をしてみたいと思っています。 アボリジニお話やら、安い魚介類(アワビなどが安いとか)のお話、楽し みです。 PXK10711 とりのさと * Title: at Don and Ann's house in Australia みなさん、こんにちは。 とりのさとさん、ていねいなコメントをありがとうございました。 ところで、アボリジニ・アートは、なにかご覧になられたことがありますか。 文章では説明しづらいので見ていただくのが一番いいのですが、動物や人間を描 いた絵が多いです。今回、National Gallery in Melbourne and in Canberra, Art Gallery in Sydneyの三つの美術館はおさえてきたんですが、Canberraと Sydneyには豊富にアボリジニ・アートが展示してあって興味深く鑑賞することが できました。 8/10から8/15まで Don and Annの家に滞在しました。子供が7人いて、 Cammie 19才 女 Pasquale 16 男 Pieter 14 男 Sheila 11 女 Micky 8 男 Naomi 5 女 Jack 3 男 というわけで、9人家族なんですが、ボクが入って10人家族です。当然、朝、 お母さんは忙しい。10人分の朝食をつくり、8人分のお弁当をつくります。ま あ慣れたもので、手際のよさには感心しますが。 また、お父さんもたいへんです。朝食がすむとSheila, Micky, Naomi そして ボクがクルマに乗り込み、二人を小学校へ一人を幼稚園へ送り届け、そして自分 の会社へ出社します。ボクは三日間ほど彼のorganic foodsの会社の倉庫で単純 作業を手伝いました。ほこりがすごくてたいへんでしたが、なんとかのりきりま した。 七人兄弟というのはもうすでにひとつの社会です。上の子が下の子の面倒をみ て、遊んであげます。皿洗いはボクもやりましたが、彼らもきちんとお母さんの 手伝いをします。 当たり前ですがみなそれぞれ人格をもち趣味があります。PC、ゲーム、サッ カー、バスケット、バイオリンなどなど。そして大きい子は学校へ行き、毎日い ろんなことが起こりますし、悩みごともあります。そんな子供たちの話を決して 面倒がらずにすべて受けとめ、ていねいに対応している両親の姿は素晴らしいと 思いました。 最終日の夕食は、豆腐入りパスタのスープ、玄米、しいたけ煮、かぼちゃ煮、 ブロッコリー蒸し、漬け物、白身魚、デザートにりんご丸ごと焼きにレーズン、 そしてふだんあまり飲まないだろうお酒、三納 柳かげ 本みりんをあつかんにし てくれました。これは100%自然のみりんなので、いわゆるそのへんの安いみりん とは違います。ほんの二杯まさに適量をおいしく頂くことができました。 そのあと、Don, Ann, Pieter, Sheila, そしてボクでCharadesシャレーズとい うゲームをしました。これは一人の人がまず映画、本、テレビ番組、歌のいずれ かの題名を思い浮かべ、口をきかずにそれを動作して、まわりのみんなが当てる というもの。こんなに明るい家庭には子供に毒のテレビは必要ないなあ、と感じ ました。 翌朝、お父さんのDonが声をかけてきて「海まで走ろう」というので、二人 で走りました。天気はよく柔らかな日差しが差し込んでおり、海は青く美しい。 "This bay has very small entrance."とのこと。つまり入り口がせまいのでいつ も穏やかなんですね。しばらく砂浜を歩き、彼は昔、合気道をやっていた頃、よ く冷たい海に入らされたもんだ、という話をしてから、服をぬぎ海へ入っていき ました。短い時間でしたがなかなか気合いの入った人です。日本人のボクは気合 負けというところでしょうか。 にぎやかな、愛すべき家族でした。 藤川 修 1998. 9. 23