<2008. 4. 4>

last update 6.April.2008

 4月4日(金) 旅のまとめ 南インド〜マレーシア〜バリ島日記

 写真は今回の旅のベスト・セレクション!

*

 4月4日(金) 旅のまとめ

 三人とも、特にけがもなく、おなかもこわさず、事故もなく、無事帰
国できたことがなにより。(おさむは二回ほどおなかがユルかったが、
なんとかなる程度であった)

 最初「スリランカに行こう」なんていう話になって「だったら南イン
ドに行こう」という話になった。早速、スリランカのことをネットで調
べたら北部ではテロも頻発しているようだし、また未来に希望が持てな
い子供たちや若者の比率が多いことも知り、尻ごみしてしまった。「ス
リランカはこわいかなぁ・・」で、南インドが候補地として残った。

「南インドに行くなら、北インドにも行きたい」ということになって、
インドに詳しい友人を呼んでいろいろ話を聞いた。いわく「南インドは
ゆったり。北インドは激しいけど楽しい」と。インド人には悪人が多い
が顔に出ちゃってるから(わかりやすいから)大丈夫、とか。

 ホテル(宿)も高いホテルでも安いホテルでも安全性にほとんど差は
ない、なんていうことも。レストランに女性一人で入ろうもんならだい
たい睡眠薬を混ぜられて、眠ってしまったところでなにをされるかわか
らない。パスポートとおカネを全部取られるだけで済めばいいけど、命
だって取られかねない。実際にこの友人の友人は睡眠薬を飲まされ、山
に連れて行かれ、羽交い絞めにされ、おカネも全部取られた。意識が朦
朧とする中、なんとか自力でロープをふりほどき命からがら下山したと
いう。

 また別の友人から聞いた話。

 その友人の友人は北インドの街中をリュックを背負って闊歩していた
ところ、突然、後ろからドンッと衝撃をくらい、前方へ大きく転んだ。
誰かに強く押されたと思ったのだが、背負っていたリュックを肩から降
ろして見てびっくり・・なんと大きな狩りに使う矢がリュックに突き刺
さっていたのだ。リュックが彼女の命を守ってくれたのだった。信じら
れないことが起こる、それがインド。

 上記二例、どちらの友人も、その後もインドを愛し続け、何度もイン
ド旅行をしているそう。命を狙われるほどこわい国、インド。しかしあ
る種のヒトを惹きつけてやまないインド。その魅力はいったいどんなと
ころにあるのだろうか。

*

 インド出発前、北インドまで足を伸ばすか、南インドのみにするか、
最後まで決まらなかった。まぁ、インドに着いてから決めよう、なんて
感じで話していた。

 インドのどこの空港を使うか、これも大事なポイントだった。たいて
いのヒトはデリーを使うようだが、デリーはずいぶん治安がわるいらし
い。しかも夜デリー着、なんていう飛行機だとさらにこわい。わりと治
安のいい空港はないの?と、友人(Aさん)に聞いたら、南インドのチ
ェンナイならいいと思うと教えてくれた。

 もともと南インドに行きたいのだし、チェンナイ着なら治安もわるく
ないということで、チェンナイ着にすることになった。インド国内を鉄
道で北上し、デリー発で帰国する案もあったが、チェンナイ・イン(着
)、チェンナイ・アウト(発)のように同じ空港を使う方が航空券が割
安(それでも高価だったな)だったので、おとなしくそうすることに決
めた。

 Yahoo! で航空券を調べたところ(ちなみに検索は Google派です)マ
レーシア航空が一番安かったので、これに決めた。代理店はたびゲータ
ー。この代理店は電話での相談ができない。すべてメール。けれどもそ
の代わり格安航空券を提供してくれる。確かにメールの方がいい。言っ
た言わないのトラブルが避けられるので。90日オープンにした。自由
のきく航空券だ。ボクは fix の航空券はなるべく買わないようにして
いる。帰国日は自由に決めたいから。

 せっかくKL(クアラルンプール)経由なので、マレーシアにも立ち
寄ることにした。90日オープンの航空券なので、帰りにマレーシアの
マラッカに五日間だけ滞在することに。

 となれば地理的に近いバリ島へも行くべきだろう。

 KL−DPS(バリ島)を安価で飛んでいるのは Air Asia だ。これ
は東京の友人(海外旅行のプロ!)から教えてもらった情報。Air 
Asia の航空券もネットで予約しておいた。英語サイトだが特にむずか
しい英語はないので、ぜひみなさんにも利用してほしい。クアラルンプ
ールとバリ島の往復でわずか2万円だ。

 出発前に以下三人分の航空券をネットで予約した。
 いずれもチケットレス、つまり航空券は存在しない。
 パスポートを見せるだけで搭乗できる。(けど予約番号の印刷はして
おいた方が無難)

 MH0053 25FEB  KIX KUL   1110 1705
 MH0180 25FEB  KUL MAA   2005 2115
 MH0181 19MAR  MAA KUL   2240 0500(20MAR)
 AK900  26MAR  KUL DPS   1025 1325
 AK901  03APR  DPS KUL   1425 1725
 MH0052 03APR  KUL KIX   2345 0715(04APR)

 AK:Air Asia airlines
 MH:マレーシア航空(MALAYSIAN AIRLINES)
 KIX:大阪(関西国際空港)   OSAKA(KANSAI INTERNATIONAL)
 KUL:クアラルンプール(クアラルンプール)   KUALA LUMPUR
 MAA:チェンナイ(チェンナイ)   MADRAS(CHENNAI)
 DPS:デンパサール(バリ島)


<ロンリー・プラネット・インド>

 みなさんは「地球の歩き方」はご存知でしょう。しかし世界にはもっ
と有名なガイドブックがあって、それは「ロンリープラネット」あ、ご
存知でしたね。ごめんなさい。「ロンリープラネット・インド」をネッ
トで購入し、懸命に読んだ。とにかく分厚い。そのへんの英和辞典より
もはるかに分厚くて重い。その代わり街の旧名や通りの旧名、安全な安
宿・レストラン情報などが満載の最強ガイドブック。二年ほど前から日
本語版が登場しており、ボクらも日本語版を買った。が、翻訳がうまく
ない部分がこれまた多いので、英語が読めるヒトは英語版の方がいいだ
ろう。(もちろん無理をして英語版を買うことはないです)

「地球の歩き方・インド」も買った。さすが日本人が日本人のためにつ
くったガイドブック。見やすい。読みやすい。しかし情報量がとにかく
少ない。ポンディシェリー・オーロビルの情報など皆無に等しく、また
チェンナイのレストラン情報もまったく魅力のないレストランしか紹介
されていないのにはがっかり。「地球の歩き方」はいまやおカネをあま
り使わずに最大限に旅を楽しむヒトのための本ではないようだ。と、ず
いぶん辛口で書いちゃったけど、ずいぶんお世話になったのも事実。上
記二冊のガイドブックは必需品。

 マレーシアについてネットで調べていたら、以下の文章に出会った。
「おカネのないバックパッカーはKL到着後、さっさとマラッカなどの
物価の安い地域へ移動して旅を続ける」これだ!と思い、マラッカへ行
くことに決まった。地球の歩き方はなおこが図書館で借りてきてくれた
ので、マラッカの部分だけカラーコピーして持参した。事前に軽く読ん
だのみ。

 バリ島・ウブドについてはよく知っているのでガイドブックは不要。
HISが出している過去の新聞(バリ・フリーク)にオーガニック・レ
ストラン情報が載っていたので、それだけ持参することに。

 ともかくインドがメイン!ということでおさむ&なおこは旅の前、南
インドの情報をひたすら読んで頭にたたきこんでいった。あわせて、イ
ンド特有の病気のこと。たとえばデング熱、マラリア、狂犬病など、そ
れらがいったいどんな病気で何月〜何月に流行し、どうしたら予防でき
るのか、といった情報をロンリープラネットから得た。もちろん南イン
ド料理についてもよく読んだ。スパイスの種類、料理の種類。また、フ
ルーツについての知識も得た。南インドはいま乾季。バリ島は雨季の終
わり。それぞれに旬のフルーツがある。各国の気候についても重要だ。
温度・湿度、日よけ対策、蚊よけも大事。


<犬>

 犬には注意。
 こちらが犬を怖がると、犬も怖がるので、
 堂々と、ふつうにしているのがいい。
 狂犬病や皮膚病に注意。


<予防接種>

 破傷風の予防接種が一番大事かもしれない。
 けど、破傷風って2〜3回、受けなければいけない・・

 しかしながら、今回、藤川家はいっさい予防接種を受けずにインドへ
行ってしまった・・三人とも。
 いっけん、無謀のようだが、予防接種なしの旅行者が多いのも事実。

 朝はフルーツだけ。
 昼・夜はベジタリアン。
 乳製品もほぼゼロ。
 肉・魚はなし。

 ボクらは日本でもこんな暮らしだ。
 これでこわい病気にかかる確率がグンと減る。

 A型肝炎は、まず大丈夫と思う。
 ま、保証はできないが。

 予防接種は、少ないけど「菌」を入れるわけだから・・
 体力が低下する。
 しかも複数の予防接種を短期間に受けると、
 さらにからだがびっくりしてしまう。
 予防接種は、受ければいいってもんじゃない。実は。


<蚊よけ>

 自然食品店で売っている蚊取り線香と、ふつうの蚊取り線香を持参し
た。(自然の蚊取り線香が数本しかなかったので)もうひとつはウチで
輸入販売している虫よけリキッドも持参。今回も蚊よけに力を発揮して
くれた。なんだかうれしいものである。ぜいたくに3本持参した。


<カギ>

 南京錠(カギ)は3個、持参した。預け荷物用のカギ。ドアのカギ。
これが重要だ。南インドの安宿では南京錠がメイン。しかしとても使い
づらい。また合鍵は必ず宿側で持っているはず。なので使いやすい自分
のカギが必要だ。どの宿に行っても自分のカギを使用した。カギは大活
躍。あと、ワイヤーも必要。きちんとドアが閉まらない宿もあるのでワ
イヤーでドアの取っ手と取っ手をグルグル巻きにしてカギをかけると夜
間の防犯に寄与する。また長距離鉄道の移動の際も複数の荷物をワイヤ
ーでくくりつけることによって盗難防止になる。


<ロープ>

 これも大活躍。長期間の旅行だと、洗濯も手洗いする場面が多い。当
然、干さなければならない。ロープがない宿もあるので、ロープを部屋
の中に一本張ることで、タオルやTシャツを干せるのでたいへん便利。
また洗濯バサミも便利。大きな宿だと屋上がある場合もあるので屋上で
洗濯ものを干すのが一番。日当たりがいいもん。


<包丁>

 南インド、マレーシア、バリ島、どこもフルーツ天国。なんといって
もパパイヤが安い。しかもおいしい。マンゴーもいいし、バリ島のアボ
カドはすばらしかった。雨季の終わりがアボカドの旬。今回、包丁は木
屋の子供用のものを持参した。日本の包丁は本当にすばらしい。


<ティートリー>

 ティートリーを一滴、黒糖焼酎を少々、竹炭で浄化した活水、これら
をアトマイザーに入れて5本持参した。南インドでターリーを注文する
とバナナの葉に料理をおいてくれる。きれいなバナナの葉であることは
少ない。店員さんがおもむろに水道水(これがアブナイ)で葉をふいて
くれたりする。わずか10秒後には料理がきてしまうので、アトマイザ
ーでシュッシュッとバナナの葉にふりかけ氣持ちだけ消毒し、ティッシ
ュ(ぜいたく品だが)でふき取った。(すぐに料理がきてしまったとき
はそのまま食べた)日本人はインド人に比べれば病原菌に対する抗体(
免疫)がないので注意。ちなみにティートリーを一滴とミネラルウォー
ターだけでも十分。ともかくティートリーは必需品。

 また、南インドでは砂ぼこりがひどい場所もあり、たちまち目が開か
なくなったりする。その場合もこのアトマイザー(スプレー)で目を洗
う。すると目が楽になる。目がかゆいときも極力、目をこすらない。か
らだのどこかがかゆいときも極力かかないのが大事。

 食事前、手を洗うことができない場面でもこのアトマイザーで手をき
れいにしていた。


<8年前のパソコンも活躍>

 今回は HITACHI Note PC 600MHz 192MB 10GB Windows2000 sp4 を持
参した。CPU: Transmeta Crusoe Processor TM5600 である。例によっ
て軽く動作するようにしてあるが、それでもこの Transmeta は異様に
遅い・・起動直後はかなり辛抱しないとウィンドウが開いてくれない。
しかしメリットもある。なんとファンレス、つまりファンがないので静
か〜、しかも発熱も少ないので南国にはうってつけ。動きが遅いと言っ
ても画像の縮小はもちろんできるし、日記を書くにもキーボードの打ち
やすさは秀逸。まったく文句のないお氣に入りマシンである。

 このパソコンをポンディシェリーのネットカフェに持ち込んだとき、
インド人が二人寄ってきた。「ふんふん、ひたちだ、いいね」と。これ
は古いパソコンなんだよ、と一応説明したが、ノートパソコン自体がめ
ずらしいようで注目してくれる。現在、このパソコンはオークションな
どでは一万円程度で買えるようだ。けど、まぁ、忍耐力がないと Transmeta
のパソコンは使えないと思う。慣れてしまえば宝物なんだけどネ。


<デジカメ>

 インドでは主に SONY DSC-U20 を使った。
 カバーを開けると、0.5秒で起動するミニ・デジカメだ。
 ズームはなく短焦点だが、きれいな写真が撮れる。

 マレーシア・バリ島では主に Canon IXY DIGITAL 400 を使った。
 いちいちレンズが出るのを待つのはおっくうだが、ズームが使えるの
はやはり便利、こちらも撮像素子がいまどきのデジカメよりも大きいの
できれいな写真が撮れる。

 デジカメを画素数で選ぶのは間違いです。きっぱり


<インド人>

 インド人をこれほど大量に見たのは生まれて初めて。
 インド人のことを、これっぽっちも知らなかった。

 今回の旅で南インドのインド人ってどういうヒトたちなのか、わずか
ながらつかむことができたと思う。

 インド人はたいてい黒い。
 しかしアフリカ系の黒人とは顔の骨格が違う。
 アフリカ系の黒人は目がギョロッとしていて口も大きい。
 対するインド人は、アジア系の骨格、なんだけど肌の色は黒。
 これが日本人にとっては異様に映るのだろう。
 黒いアジア人、近くて、遠い国。
(日本人のような肌の色のインド人もけっこういます。また中間色も)

 肌の色。
 そんなのどうだっていい。

 偏見を捨てる。

 これがどんな場合でも大事だと思っている。
 偏見を捨て、
 英語で話しかける。(タミル語はできないからね。ごめん)
 話しかければ、ことばが返ってくる。
 笑顔も返してくれる。
 それが人間同士のコミュニケーション。

 南インド人は、ともかく優しいヒトが多かった。
 優しくて親切。
 英語がろくすっぽしゃべれないヒトもいるが、
 それでも状況があれば、たいていは分かり合えるもの。
 英語が通じる相手なら、ずいぶん仲良くなったりもする。
(まぁ〜、仲良くなるとつけこまれたりもするんだが、)


<旅を振り返って>

 どんな場合も、
 またどんな場面でも、
 毅然とした態度でいること、
 堂々としていること、
 隙を見せないこと、
 つけこまれないこと、

 しかし、壁をつくらないこと、
 コミュニケーションすること、
 笑顔であいさつすること、
 困ったときには助けて、のサインを出すこと、

 それらすべてが、一瞬、一瞬に同居しているのが、
 旅のおもしろさのひとつだと思う。

 街の風景は楽しく、
 山は雄大で遺跡は見事だ。

 ヒトとヒトとのコミュニケーションは、
 ときに危険を孕んでいるけれど、
 その本質は暖かいはずで、
 実際に話してみれば暖かかった。

 そんな忘れがたい一場面、一場面を、
 まるで映画のワン・シーンのように、
 思い出すとき、
 自分の中の奥底が
 不思議な熱をもって
 暖かい感触を蘇らせてくれる。

 ヒトは思い出だけでは生きていけない。

 が、

 思い出なしでも生きていけない。

 素敵な思い出いっぱいの旅ができたら、

 その旅はその旅を共有したボクらの、

 キラキラと輝く小さな宝石のような、

 可愛らしく、大切な、かけがえのない

 そういうものになるのだろう。

 一瞬は永遠であり、永遠は一瞬なんだ、きっと

 ありがとう、なおこ&ゆうや

 また、行こう、どこかへ
 本来のヒトとヒトとの温かみと温もりを求めて

 体温はみんな、36.4度を保っている。
 だからヒトの温かみは、肌の色が違っても同じはずだ。



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