<誕生>

last update 5,January,2000



  みなさま、こんばんは。

  1月5日に、赤ちゃんが生まれました。
  男の子です。  名前は「祐也」にします。
  (男ならこれと、あらかじめ決めていました)
  (が、男か女かは、先生に事前に知らせないでいてもらいました)
  普通の病院(産婦人科)ではなく、助産院で生みました。
  初産ですし、いろいろたいへんでしたが、得るものは大きかったです。

  時間で振り返ってみますと、
  1/4 3:00 a.m.  弱い陣痛が始まる
  1/4 9:00 p.m.  風呂あがりに陣痛が強まる
  1/5 1:00 a.m.  調布市深大寺にある助産院に到着
  1/5 4:00 a.m.  かなり激しく、苦しそうな様子
  1/5 6:00 a.m.  痛みが収まってしまい、微弱陣痛となる
  1/5 9:00 a.m.  再び陣痛の周期が5分おきにくるようになる
  1/5 11:00 a.m.  強い陣痛が周期的にくるようになった
  1/5 12:15 p.m.  最後の力を振り絞り、無事出産  3500 g

  普通の病院には行きたくない、自然なお産をしたい、というのは、当初から私
たち夫婦の一致した意見でしたが、自然出産は、そんなになまやさしいものでは
ありませんでした。

  考えてみますと、昔(江戸時代以前)は、炊事も洗濯も妻にとって大仕事、つ
まり日常生活自体がたいへんな労働でした。だから、出産もたいへんなのが当た
り前でしたし、西洋医学もありませんでしたから、自然出産しかなかったわけで
す。

  妊婦さんは、出産するぎりぎりまで、家事を行っていて(陣痛の痛みに耐えな
がら)、だからこそ気も紛れ、また体を動かすことによって、意外にも生みやす
かったと聞きます。

  しかし、現代の生活では、家事は軽減されており、快適ゆえ、いざ、出産は自
然で、なんて言っても、なまった現代人の体に「自然なお産」は厳しいのでした。

  一番楽なのは、アメリカでは半数以上の人が選択すると言われている無痛分娩。
でも、これはおいておいて。「自然なお産」では、陣痛促進剤も注射せず、点滴
も打たず、また、生む段階でメスを用いず、帝王切開もありません。

  すべてを自然に任せる。これがどんなにつらいことか。わたくしは見ているだ
けでつらかった...いったん、3分周期できていた強い陣痛も一度は収まって
しまい、再びそれを呼び寄せるのに(途中、おいなりさんを食べ、毛布で体を暖
めた)3時間かかったわけです。陣痛の周期がだんだんと短く、そして強烈にな
ることによって(もりあがることによって)はじめて、「生む」ことが可能にな
るのだそうです。

  そして、いよいよ、勢いよく破水。10回近いトライの果てに、赤ちゃんが、
先生の手によって取り上げられる、なんとも神秘的な光景を見ることができたの
は、「助産院」ならではでしょう。あまりに感動的で少し世界観が変わってしま
ったほどです。(へその緒は、私が切りました)

  自然に任せるのはつらいのですが、生まれたあとの感動はひとしおです。苦し
みぬいた妻と赤ちゃんをみたら、心から「よかったね」と思い切り涙を流して、
泣けました。

  赤ちゃんは、出てきた瞬間に元気よく「おぎゃー」とないてくれました。目も
あいています。ピンク色の元気な赤ちゃんです。不思議と体が(見た目)ですが、
油の膜で覆われていません。(薄い膜でした)

  これは、妊婦さんが妊娠中、ずっと下半身をきちんと暖めていたからなのだそ
うです。(タイツなどをはいて)すると、おなかの中(子宮)も暖かいので、厚
い油の膜で覆う必要がなくなるのだそうです。  なるほど、よくできています。

  結婚前の私たち二人の食べ物、妊娠してからのかみさんの食べ物は、玄米と旬
の野菜、塩、味噌、醤油、パンが中心でしたが、秋頃からは、力をつけようと、
鰯、鳥肉、ソーセージ、卵、チーズ、なども少しは食べるようにしていました。
しかし、こうして元気なピンク色の赤ちゃんに恵まれたのは、基本的には、玄米
と野菜を中心にしていたことが、よかったのだと思います。  (ちなみにそこの
助産院では、特に玄米正食(macrobiotic)は薦めていません)

  今回取り上げてくれた、野本先生という方は、なんと80才のおばあちゃんで、
すでに、(信じられますか)5000人以上を取り上げているベテランです。そ
れが全て「自然出産」で、かつ、なんらかの異常のあった赤ん坊はゼロと言いま
すから、驚いてしまいます。  動作は、さすがにスローなのですが、本当にひと
つひとつ丁寧な仕事ぶりには感心というより、圧倒されます。  お産で徹夜して
もピンピンしていらっしゃいました。

  今回、予定日は1月14日でしたが、それよりも9日早い出産となりました。
にもかかわらず、3500 g という割と大柄な赤ん坊に少し驚いています。初産で
したし、これがもし予定日通りの出産だったら、さらに大きいわけですから、赤
ちゃんが母親をいたわって早めに出てきたんだなぁ、と思えてきます。

  かみさんは、外観ではわかりにくいのですが(のほほんとしているように見え
るが)実際は芯の強い女性のようです。なにせ、毎日最低一時間は散歩していま
したから。  先生が、とにかく一日二時間は歩け、というもので...  出産の前
日は三時間、歩いているんです。大きなおなかで、重たいだろうに。  そうする
ことによって、赤ちゃんが下に降りてくる。 出産ぎりぎりまで動けるもんですね。
元気なからだを保っているのはえらいものです。(ほめてあげよう)

                             2000.1.5  ふじかわ  おさむ  at TOKYO


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