<読書>

last update 16.June.2005


 こーんな「本」が好きです。(^^


 花を運ぶ妹 池澤夏樹 文春文庫 (小説)

 兄と妹が主役。くっつきすぎず、離れすぎず、その絶妙な距離感。
 ふたつの物語が同時進行していく。一枚の傑作の絵を見る思い。

 一番好きな作家です。他の著書では、風力発電機が登場する「すばら
しい新世界」も好き。環境問題を正面からとらえた「楽しい終末」も好
きです。(終末は)三回、かみしめて読みました。

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 季節の記憶 保坂和志 中公文庫 (小説)

 ストーリーもない。エンディングもない。ただただ登場人物たちの日
常が流れていくだけ。と書くとつまらなそう?ふふ(^^)しかしこれほど
現代人のこまやかな心の動きを表現した小説がいままでにあっただろう
か。大胆な議論、議論だけにおわらない行動力、日常の楽しみ、人生の
つらさ、自然のうつろい、宇宙の果てまで飛んでいこう。肩からきれい
に力のぬけた哲学書と言っても過言ではない。

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 旅のラゴス 筒井康隆 新潮文庫 (小説)

 もっとも筒井らしくない小説なのでは?だって主人公が常識的だし、
誰からも好かれている。筒井が本当にすごい小説家だと感じたのは意外
にもこんな正統派の小説だった。なによりも元氣になります。生きるパ
ワーが湧いてくる。さわやかというのはふつう筒井に似合わないことば。
けど、この主人公はさわやかです。(^^

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 楽園 鈴木光司 新潮文庫 (小説)

 鈴木光司と言えばコワーイ小説が有名だけど、これは時空を越えた壮
大なファンタジー。美しい情景が目に浮かぶ。一方、本当のサバイバル
とは何か、と容赦なくつきつける。恋愛小説なんだけど、あまりの力強
い展開にポワッとしている暇はない。これも生きるパワーが湧いてきま
す。

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 ONE バック 集英社文庫 (小説)

 かもめのジョナサンで有名なリチャード・バック。このONEを読ん
でヒッピーになったアメリカ人も多いと聞く。バイブルと言ってもいい。

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 スロー・イズ・ビューティフル 辻信一 平凡社ライブラリー

 スローに生きるっていいね。(^^
 自然農の川口由一(よしかず)さん、雑穀料理研究家の大谷ゆみこさ
んなどなど、よく知っている名前が目次に並んでいたので、数年間、読
まなかったのだけど、古本屋で目にとまったので購入。おー、すばらし
い。いま、前向きになるべく何もせず(趣味以外にネ)、なるべくカネ
を稼がす(カネを安易に稼ぐと環境破壊になるから)という生活を目指
しているんだけど、これが肯定されていて氣分がよかった。あ、ちなみ
に禁欲的な生活ではないんですね、これが。ある範囲内で生活してみる
と、これが楽だし、愉しいし、安らぎもある。というわけで最近ますま
すスローな生活になっております。( 2005. 4. 16 読了)

*

「9をまく」 大月書店

 憲法9条をテーマにしています。
 若者のつくった軽い本かと思いきや、平和を考えるにはよい本でしょ
う。鶴見俊輔さんのことばが重い・・すばらしい!( 2005. 6. 8 読了)

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 地球の落とし穴 広瀬隆 NHK出版(ノンフィクション・エッセイ)

 もっとも尊敬するジャーナリスト。講演会にも行きました。原発・遺
伝子・株価暴落・・わかりやすく紐解いてくれます。「東京に原発を!」
集英社文庫もおすすめです。(こわいよぉ)

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 西洋文明の常識 森川明 工学社 (文明論)

 目からウロコが何枚も落ちるでしょう。西洋文明・諸国を支えている
巧妙な搾取システム。平和を訴えるだけでは世の中、平和になりません。
これを中学校の教科書にしたらいいんじゃないか。ねぇ。これが歴史教
育というものだ。

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 ゆらぎの不思議 佐治晴夫 PHP文庫 (天文と詩と音楽)

 あたたかな天文学者のまなざし。金子みすずの「詩」に宇宙が見え隠
れします。昼間の星を見てみよう。うん、見えるよ。

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 ゾウの時間 ネズミの時間 本川達男 中公新書 (生物)

 寿命の長さは違えど、一生の間に心臓のうつ回数と呼吸する回数は(
ゾウとネズミでは)同じなんですね。人間を含め哺乳類はみな同じ。と
いうことは、ネズミが感じている時間とゾウが感じている時間は感覚的
には同じなのではないだろうか。

*

 二十世紀の忘れ物 佐治晴夫・松岡正剛 雲母書房 (対談)

 良寛からグールドまで。縦横無尽の対談集とはこのこと。大丈夫。難
しくないよ。きっと楽しんで読めます。(本対談には4回出席しました)

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 鉄砲を捨てた日本人 ノエル・ペリン 中公文庫 (軍縮)

 日本人て、江戸時代に一度、鉄砲を捨てたんです。当時世界一の品質
を誇り鉄砲の数も最大だったのに、です。ここに人類の軍縮の可能性を
見ることができるのではないでしょうか。

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 戦争をしないですむ世界をつくる30の方法
 田中優・小林一朗・川崎哲 合同出版 (平和)

 意外にもボクらの日常生活の中に戦争を回避するヒントがあるようで
す。たとえば「買い物」も慎重にネ。(^^)そうそう、中間法人って知っ
てますか。有限会社にそっくりですが、利益を出資者に「配当できない
」ところがいい。一方、NPOでは基礎財産の保持ができない上、来る
者を拒めません。会社をやるなら「中間法人」がおすすめです。(^^

*

 戦争のつくりかた

 この絵本は日本国の有事関連法案を踏まえて書かれています。

WEBでも読めます。
http://smile.hippy.jp/ehon/


法律を踏まえた絵本、ということです。 http://smile.hippy.jp/ehon/32-33.htm *  神戸から長野へ 浅田彰・田中康夫 小学館 (対談)  ドライな政治家としての田中康夫、好きです。  よく世の中を見ている。生きている政治家ですね。  あ、ちなみにボクの好きな政党は「みどりの会議」です。 *  虫眼(ムシメ)とアニ眼 養老孟司・宮崎駿 徳間書店 (対談)  「バカの壁」の養老孟司と「千と千尋」の宮崎駿の対談です。  自然と人間のこと、そして子供たちのこと。わくわくします。  宮崎駿のイラストが巻頭に22ページもあるのがうれしい。 *  廃材王国 長谷川豊 淡交社 (家づくり)  長谷川さんはもう25軒も古民家を解体したときに出る廃材で家を建 てた人です。とってもパワフル。彼の人生哲学に触れることができます。 家は自分で建てるもの。薄い本です。一読の価値あり。 *  イタリアに学ぶ医食同源 横山淳一 中公文庫 (イタリア料理)  みなさーん、食事を楽しみましょう!  イタリア料理はこんなにおいしい。 (本来、和食も医食同源ですネ) *  草と野菜の常備薬 一条ふみ 自然食通信社 (おばあちゃんの智恵)  ヨモギ、スギナ、フキ、ドクダミ、ユキノシタ、ハコベ・・みーんな 日本のハーブですね。一家に一冊。 *  自然農から農を超えて 川口由一 カタツムリ社 (自然農)  耕さない、虫と草を敵にしない、そんな米づくりと野菜づくり。19 97年に縁あって読んで、そのまま半年間、赤目自然農塾へ通いました。 人生観が変わってしまった著書。うすい本だけど、あまりにシンプルで、 強いメッセージ。(最近は「自然耕」という農法に着目しています) *  農薬を使わない野菜づくり 徳野雅仁 洋泉社 (家庭菜園)  野菜をつくるならこれ一冊でOK。  タネの蒔きどきもわかります。  ふじかわ おさむ at 南荻窪

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